天使にラブソングを~sister's act~感想・考察

鑑賞後には歌って踊りだしたくなる心地良い映画だった。

元ヤンキーの尼さんが修道院の合唱団に革命を起こす話。

 

 

あらすじ

マフィア専属の女だったデロリスが、夫が自ら手を下す殺人を目撃してしまったことから、口封じに命を狙われる。なんとか逃げ切り警察に相談したところ、シスターとして修道院にかくまってもらえることに。しかし、これまでアウトローな生き方を貫いてきた彼女にすると、質素・倹約な生活に耐え切れず不満を漏らす。

 

そんな中任命された聖歌隊の指揮者訳がドンピシャにはまる。以前は万乗一致で下手と思われた歌声を、自身の歌手経験や持ち前の明るさを生かし、各メンバーの個性を生かす指導でめきめきと実力をあげる。徐々に毎週の集会に歌声目当てに集まる人が増え、やがては法王が訪れるほどに。

 

そんな中、デロリス担当の警察官からマフィアの追手が修道院に向かう可能性がある、との知らせが。聖歌隊のメンバーへの愛着や、合唱の楽しさに目覚めた彼女は自分の身の安全よりも迫る法王の前での集会を選ぶ。そんな決断は虚しく、結局はマフィアに拉致されてしまう。デロリスの危機を知った修道院の一行は、何とか彼女を救出しようと行動する。ヘリコプター強奪()シーンはクッソ笑える。

 

そんな歌あり、踊りあり、笑いありの、心が軽やかになるいい映画。

みどころ

働き方改革

この映画の見どころとして、変わりゆくメンバーの心境を挙げたい。デロリス加入以前の修道院には、良く言えば昔ながらの、悪く言えば封鎖的な雰囲気があった。実際に、世俗的な文化や贅沢は不要、祈りさえ捧げることが出来れば十分、と修道院長は考えていた。その結果、修道院は経営危機に陥り、メンバーもまとまりがないし、自信がない人が多くいた。

 

院長にも譲れないものがあったから、経営困難であろうと利益追求に走らなかったのだと思う。理想と現実のギャップって厳しいよな。。。経営者が見ると色々納得するのではないか。

 

そんな中加入したデロリスが全てをぶっ壊していく。聖歌隊の配置を変え、過小曲を変え、一般市民とのかかわり方を変え、働き方改革を実践していく。その果てに、シスターたちの心も塗り替えていく。

 

自信がなかった若いシスターも、今となってはソロパートを担うまでの実力と自信を身につける。伝統的な修道院の有可太重郎貫いてきた院長も、市民に溶け込む世俗的な教会の在り方を肯定するように。最後の歌唱シーンでは、惜しみない拍手を送る彼女がいて、感動的な場面であった。

 

唯一終始変わらなかったのは、デロリスの元恋人のマフィア。幼稚さがシスターたちの心の成熟度を引き立て面白い描写だ。悪役が物語を引き立てる、とはこういうこと。

 

楽しい合唱

度々登場する歌唱シーンも物語を彩る。全員が心から楽しそうに歌って踊り自分を表現する様子は、見ているこっちまで愉快な気持ちにさせてくれる。実際に近所の教会でこの歌唱会をやってたら絶対に行くもん。

 

デロリス救出

そして、デロリス救出シーンのマフィアとシスターたちの応報は最高級に笑える。デロリスが最後に放つセリフが「Bless You」ってたまらなくないか。実は彼女自身も心は立派なシスターだったのだ。個人的には、その後の院長とデロリスの応報も一興。落としてあげる喋り方にクッソ笑った。

 

最後に

2,3と続編が出ているので、デロリスのその後も気になる。中学時代に音楽の授業で「Oh Happy Day」を歌ったため、是非見たい。早くアマプラで無料公開してくんねえかな(乞食)